フィルストからグロッセシャイデックのハイキングコース

フィルスト行のゴンドラの始発は8時。この便に乗れば人はほとんどいない。7時50分頃に行ったところ、並んでいる人は10人程度。既にユングフラウパスを持っている私は並ぶ必要はなく、そのままゴンドラ乗り場へ向かう。朝一のフィルストの新鮮な空気が迎えてくれる。フィルストまでの車窓から見える景色は、中世に描かれた風景がの一部のような美しさと優しさが朝日に浮かびあがって見える。

フィルストからグロッセシャイデックへは、8時30分ころから歩き始め、11時30分頃に到着。フィルストを出るとバッハアルプゼーとは逆の方向へ向かって歩いていく。グリンデルワルトを見下ろして左手方向へひたすら下っていく。中級者と初心者向けのハイキングコースがある。よほど自身が無いのであれば車道として舗装された初心者コースへ行くのも良いだろう。しかし、ハイキングを楽しむのであれば断然中級者コースを選ぶ方が良い。初心者コースは同じ方向へ向かうものの、より低いところを舗装された道路沿いに歩いていく。中級者コースは小高い丘の裾野にある小道や獣道程の狭い道を行く。とはいえ、農道や舗装された道も多く、特別な装備もいらない。よりハイキングのイメージに近く、放牧されている牛やアルプスの山々を眺めながらのハイキングとなる。そして何よりも、高い位置を歩くこととなるので、絶景は折り紙付き。アイガーを右手に、グリンデルワルト周辺の村々を見下ろし、牛の合間を縫って歩く。

途中、農家の無人販売所に出くわす。スイスらしく、無人のチーズ販売店だ。売店と言っても、看板と冷蔵庫があるのみで、冷蔵庫の中にはグリンデルワルト産のチーズ。周辺の村のスーパーマーケットで同じものも変えるが、格安で手に入る。COOPでの売値が1キロ当たり27フランであるのに対し、ここは20フラン。3分の2程度の値段となっている。もちろん、小さなサイズもあり、9フランも出せば自分へのお土産になるだろう。夕方のワインのつまみにはもちろん、ハイキングの思い出としても良い。

ハイキングの道は途中、15分程度ののぼりがある。ただ、それ以外はいたって平坦なコースが続き、緩やかな下りがほとんどである。絶景が続くので写真を撮るのに時間がかかるだけで、疲労感はほとんどない。谷から吹き上げるアルプスの風が心地よい。高齢ハイカーや子供連れのハイカーとあいさつを交わしながら歩いた。

グロッセシャイデックは村というよりも、ハイカーのためのホテル兼レストランがあるのみ。背後にそびえるシュレックホルンが美しい。

グロッセシャイデックからグリンデルワルトまでのバスは、毎時43分にやってくるレストランで昼食をとるのも良し、ビールやコーヒーを飲みながら時間をつぶしても良い。フィルストからのハイカーはここで思い思いにバスを待つ。天気が良ければアイガーとメンヒ方面の絶景を望むこともできる。絶景がビールを一層旨くする。グリンデルワルトまではユングフラウパスで無料。グロッセシャイデックからは30分程度の距離だ。

グロッセシャイデックからフィルストへ向かうハイカーも多いが、のぼりが多くなるため疲労感は募るだろう。この回り方の場合、アイガーやフィルストへ向けて歩くこととなるので、絶景を正面に捉えながらハイキングができるメリットがある。とはいえ、余程上り坂が好きでなければ、フィルストからの緩やかな下りを選んだ方が良いと思う。傾斜もきつくないので、膝への負担も少ないからだ。