ローザンヌとモントルーの間に広がる葡萄畑は、古代から続く大自然と食卓を繋ぐ大切な役割を担っている。太陽の日差しとレマン湖の照り返しが生み出す香り豊かな葡萄。延々と連なる段々畑の石垣が放射熱を蓄え、葡萄に太陽の恵みを閉じ込める。スイスワインの多くは国内で消費されてしまうことから、国外ではほとんどお目に掛かれない。その貴重なスイスワインの中でもラヴォー地区のワインは格別。ローマ時代から続く伝統製法で生み出される爽やかな舌触りは筆舌に尽くしがたい。ラヴォー地区の小さな村々を歩きながら、ワインを飲み歩くハイキングは世界広しといえども、ここでしか味わうことのできない至福の時間である。