住宅街とオフィス街の谷間にある路地裏のカフェ。
日曜の雨上がりの夕日を待つ時計を気にしない人たちが、煙草の煙をぼんやり眺めている。エアコンの聞いたオレンジ色のおしゃれな空間には会話を楽しむ若者がいて、店先に無造作に置かれたガラステーブルには独りぼっちのおじさんたちが静かにコーヒーと煙草と会話している。当然、店先の席に座り、ロブスタの強いコーヒーをすすり、街行くバイクを眺めている。落ち着く。大都会の真ん中にあって、ここには大都会の喧騒はない。