ポイント
パズンダン駅は取り立てて紹介するほどもない駅であることは間違いない。ヤンゴン中央駅のような立派な駅舎があるわけでもなく、何一つ目立つものは見当たらない。それにもかかわらずここで紹介するのには理由がある。一つは鉄橋の上から見下ろす風景が美しい。ここが大都会ヤンゴンのど真ん中だということを忘れてしまいそうなくらい、どこまでも大自然の真ん中を鉄道が伸びている。もう一つの理由は、この鉄橋へ来るまでの未舗装の道。まさにヤンゴンの経済成長の裏側といった感じの掘っ立て小屋が立ち並ぶ地区。そこに住む人々は、井戸の周辺に集まって水浴びをしていたり、子供たちは夕立の去った後の水溜まりの上をドロドロになりながら駆け回っている。ヤンゴンにいると、少数の富裕層の生活にしか出会うことができない。しかし、パズンダン駅周辺の地区を歩けば、経済成長とはあたかも無縁の暮らしを送る人々の生活を垣間見ることができる。